“...!”
クリアウルフの顔から一切の表情が消えた。
“待
「じゃあね。」
彼女が杖を振る。
次の瞬間、クリアウルフの体を青い炎が包んだ。
「やれやれ、呆気なかったね。」
残念そうに呟く彼女。
不死鳥によって、外傷無く焼き殺されたクリアウルフを見ると。
「な...ッ⁈」
「やっぱり、か。外れて欲しかったんだけどね...。」
クリアウルフの死体。
その額には黒々と逆五芒星が刻まれていた。
「これは、使用禁止の魔術のはず...!どうして...!」
彼女はワイヤーを拾い上げ。
傍らの木に向かって投げつけた。
「マスター⁈何を...!」
「出てくれば善いのに。ねぇアリス?」
返事は無く、ワイヤーが切り落とされた。