「皆さん、ご機嫌よう」
今日も楽しそうねぇとヴァンピレスは微笑む。
「アンタ、今日は何の用だ‼」
またボクらの異能力を奪いに来たのか‼とネロは具象体を出しながら睨みつける。
「うふふ、今日はそんな用じゃないの」
ちょっと貴方達に聞きたいことがあって、とヴァンピレスは踊り場の柵に腕を載せる。
「貴方達と一緒にいたあの子…名前は何ていうのかしら?」
「そんなのアンタに関係ない」
ヴァンピレスの質問に、ネクロマンサーは強く言い返す。
「大体、それを聞いてどうすんだ!」
アンタには関係ないだろ!とネクロマンサーが言うと、ヴァンピレスはふーんと呟きつつ表情を笑顔から真顔に戻した。
「…じゃあ、”心を読む”わよ」
ヴァンピレスがそう言って冷たい目をわたし達に向けると、ネクロマンサーはなっ‼と叫ぶ。
「コイツ、そんな異能力も奪ったのか‼」
ネクロマンサーが驚くと、ヴァンピレスはうふふふふふと高笑いを上げる。
「そう、そうなの、わたしが奪った”ケツァルコアトル”は他人の心を読む能力」
少し前に奪ったのだけど、存外便利で役立っているわとヴァンピレスは笑う。