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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 18.メドゥーサ ⑱

わたしはその様子を見て笑っていたが、ふとある事に気付いた。
「…そう言えば、メイ戻って来ないね」
わたしが言うと、皆はそう言や…と我に帰る。
「メイがトイレ行ってからどれ位経ったっけ?」
「30分…位?」
「結構時間かかってんな」
耀平、ネロ、師郎はそう話し合う。
「でも言うて女子はトイレにいる時間長いし」
「だけどここから1番近いトイレはそんなに混んでたか?」
耀平と師郎はそう言うが、不意に黎がこう呟く。
「…まさか”奴”に捕まったとか?」
その言葉で皆の視線が彼に集まる。
「た、確かにそれもありそう」
「まさかな」
耀平と師郎はそれぞれそう答えるが、ネロは思わず黙ってしまう。
その顔はどこか不安げだ。
「さすがにそれは考え過ぎだろ黎」
なぁ、と師郎はネロの方を見るが、ネロはすでにうつむいていた。
「ネロ…」
耀平はそう声をかける。

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