0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 18.メドゥーサ ⑳

ネロを追いかけ始めて暫く。
幸いにもコマイヌの能力と彼自身がネロの行動の”軌跡”を見慣れているお陰で、彼女の追跡はできていた。
わたし達はコマイヌを先頭に人で混み合う公園内を駆け抜けた。
「ネロ…アイツどこ行ったんだ?」
両目を黄金色に光らせ、ウィンドブレーカーのフードを目深に被ったコマイヌが呟く。
気付くとわたし達は、公園のはずれの森のようになっているエリアまで来ていた。
「…アイツの事だ、もう既に”奴”と接触してたりしてな」
師郎はそう呟くが、耀平の顔は深刻そうだ。
「ホントアイツどこに…」
コマイヌはそう言いながら辺りを見回した所で、あっと何かに気付いたように声を上げた。
「ネロ‼」
わたし達がいる場所から十数メートル離れた木の根元辺りで、小柄な少女がうずくまっている。
コマイヌが異能力を使うのをやめて、ばっと彼女の方に駆け寄った。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。