「アイツが逃げろって言ってる」
だから…と耀平はメイの顔を覗き込んだ時、耀平はハッとしたような顔をした。
「…メイ?」
耀平がそう言った瞬間、彼女はよろめきながら立ち上がる。
「あら、逃げないのね」
それなら…!とヴァンピレスはメイに向かって白い鞭を伸ばす。
「メイ‼」
ネクロマンサーは思わずそう叫ぶが、彼女は動かない。
白い鞭が目の前まで迫った時、バッと彼女は顔を上げた。
その途端、白い鞭の動きがぴたりとその場で止まった。
「⁈」
ヴァンピレスは驚いたような顔をするが、その体は動かない。
「…メイ⁇」
ネクロマンサーが彼女の方を見ると、彼女の瞳は藤色に輝いていた。
「わたしは、”メドゥーサ”」
”メドゥーサ”と名乗った少女は淡々と告げる。
「わたしと目が合う限り、あなたは動けない」
彼女のその言葉に、ヴァンピレスは苦しそうな顔をする。