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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 18.メドゥーサ ㉕

「…今だ‼」
どうやっても動けないヴァンピレスを見たネクロマンサーは、すかさず黒鎌で彼女に斬りかかる。
しかしすんでの所でヴァンピレスはそれを避けた。
「っ‼」
ネクロマンサーは思わずつんのめりそうになり、ヴァンピレスは枯れ葉の積もった地面の上に転がる。
「…まさか、わらわが奪い取る前に発現するなんて」
想定外だったわと地面から起き上がりながら、ヴァンピレスはこぼす。
「アンタ、これで”メドゥーサ”の能力は奪えないな」
奪おうとすれば動きを止められるし、とネロはにやりとする。
「くっ」
ヴァンピレスはゆっくりと立ち上がる。
「…まぁ良いわ」
他にも狙っている異能力者はいるし、と彼女は呟く。
「今回は見逃してあげるわ」
だけど、とヴァンピレスは顔を上げる。
「貴女には容赦しない」
ネクロマンサーとヴァンピレスは低い声で言うと、パッとその場から消えた。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • 今年最後の「ハブ ア ウィル」です!
  • 皆さん2023年もありがとうございました‼
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