僕らが現場に向かうとそこには。
ぐるぐると一ヶ所を回り続けるクリアウルフの姿が
あった。
「マスター、あれは...!」
「うん、群れの長が亡くなった時に見られる行動だね。おそらく、先日のクリアウルフが長だったのだろう。...チッ、アリスめ、此処迄想定済みか。」
また「アリス」か...。
誰なんだ、敵、の様には見えない。
かと言って、味方や旧友には見えない。
「本当に何者なんだよ...。」
「はぁ、私の詮索より先にする事があるだろう?ほら。」
思った事が口に出てしまったらしい。
釘を刺されてしまった。
彼女はヒョイ、と訓練用の杖を放る。
「さぁ、仕事だよ。」