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円環魔術師録 外伝3

ヒョイヒョイ、と結界を置く彼女。
息でもするかの様に結界を使える彼女は、やはり異常だ。

「あれ、マスター、倒さなくて善いんですか?」
「ああ、大丈夫だ。多分あと数時間で治るさ。」
「ちょっと!貴方、魔導士なんでしょう?早く何とかして頂戴!」

いきなりキンキン声で叫び出したのは、昨日のマダム。報酬はしっかり払う人だが、いかんせん文句が多い。あとうるさい。

「ホントに!迷惑してるのよ!アイツら、人間も襲うんでしょう!ああいやだ!とっととやっつけちゃって!」
(ホントうるさいなこの人...!)
「いいえ、マダム、彼等が人を襲うのは稀です。大丈夫ですよ。」

マスターを完璧に無視して、マダムが叫び続ける。

「いいから!早く!」
「まぁまぁ、彼等も傷心中ですし。ね?」
「...!」
「有難う御座います。」

...今、何かすげぇ殺気放ったなマスター。
そりゃ、マダムも黙るよ。

  • 深夜の珈琲占い 続編
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