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CHILDish Monstrum:人造神話隊 その③

4人が怪物態に変化してからは、戦況は完全に一方的な蹂躙と言えた。ティンダロスの高速の突進に触れた傍から、インバーダたちは腐ったように崩壊していき、動くこともできないほど腐り落ちた残骸を、ビヤーキーとナイトゴーントが轢き潰すように仕留めていく。3体の怪物の突進から逃れた、あるいは致命傷を避けたインバーダも、遅れてついて来るディープワンが三叉槍で1体1体、確実に急所を貫き片付けていく。
4体の化け物は勢いが衰えることも無く只管驀進を続け、東の空が僅かに明らんできた頃、インバーダは数体の小さな個体を残して殆ど全滅していた。
「そろそろ人間どもの時間だな」
残っていたインバーダのうち1体を大鎌で殴り潰しながら、ナイトゴーントが言った。
「ギリギリ間に合ったって感じだね。流石だよみんな」
人型に戻りながら、ディープワンが反応する。
「それじゃ、誰かに見られる前にさっさと帰るか。ほらみんな、私の背中に乗って」
人型に戻ったビヤーキーに言われ、ディープワンとナイトゴーントはすぐにそれに応じた。
最後まで残っていたインバーダを全て蹴散らした後、ティンダロスも遅れてビヤーキーの背中に飛び乗り、4人が飛び立ったのは、日光が戦場跡に届いたのとほぼ同時だった。

  • CHILDish Monstrum
  • こちらも完結
  • この子らには帰る場所がある
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