「なァ君、今度の日曜、空いてるかい?」
ここ数日、不思議と姿を見なかった種枚さんだったが、とある火曜日の大学からの帰り、唐突に目の前に現れ、早々にそんなことを言ってきた。
「……何をするんですか? あとお久しぶりです」
「うん久しぶり。いやねぇ、その日デートがあるからちょいと付き合ってほしいのさ」
「なんで?」
「え?」
何故この人は、「何言ってるんだコイツ?」みたいな顔をしているんだろうか。
「…………あァー……そうね、私の言い方が悪かった。霊感持ちの知り合いがいてさ、その子とひと月に1度くらいのペースで会うんだが、それが今度の日曜なのさね」
「はぁ」
「せっかくだから、君にも会わせてあげようかと思ってね。殺意の出し方もまだまだ未熟だし、後ろ盾は多かった方が良い」
殺意の出し方なんて普通に生きていて上手くなるわけが無いと思うけれど……。
「まあ分かりました。特に予定も無いですし……」
「よし来た、日曜朝10時、『中央』の東口で待ち合わせよう。電車を使うよ」