扉の破壊で、埃が舞い上がる。その向こうから、鉄球が独房の天井の方に飛んでいって、監視カメラと機銃を叩き壊した。
「よォ、ベヒモス。ハジメマシテだな」
すぐに晴れた埃の煙幕の中から現れたのは、私より少し背の高いモンストルムの男の子と、その子よりももう少し背の高い、スレンダーな女の子だった。
「俺はフェンリル。こっちはスレイプニル。よろしくな?」
「ぇ……ぁ……」
答えようとしたけれど、動揺が収まっていなかったのと長いこと言葉を発していなかったのとで、上手く言葉が出ない。
「とりあえず、『ソレ』も壊してあげたら?」
「ン、そうだな。ベヒモス、動くなよ? 下手すりゃ死ぬぜ」
フェンリルがそう言いながら、わたしの両手、両足の枷を1つずつ指で軽く突いた。その瞬間、拘束具は全て砕け散り、私の身体は自由になった。長いこと立ちっ放しの姿勢で固定されて疲れ切っていた両膝からは力が抜け、床の上に頽れる。
「…………ぁ、ありがとう、ございました」
さっきは上手く言えなかったお礼の言葉を、改めて口にする。
「あー、礼ならスレイプニルに言ってくれよ。スレイプニルが仲間が欲しいっつーから出してやったんだ」
「……仲間?」
この疑問に答えたのは、スレイプニルの方だった。
「そう。この地下牢から脱走する、そのための仲間」
いいんです、ナニガシさんの投稿率が高くても。
いつものことのような気がするのでね。
楽しんでくれれば幸いです。