「ただいまー…はぁ…聞いてよー!私ね、ワクチン打ってきたんだ」
桃が言うと、ふわふわで純白の熊の妖精がゆったりと首を傾げた。
「ワクチン?腕いたいいたい?」
「うん…いたいいたい…」
桃は右利きなので左肩あたりに打たれたわけだ。左腕を庇いながらベッドに腰掛ける。
「注射って痛いときと痛くないときあるよねー」
「うーん…注射したことないからわかんないけど…針刺されるのって怖くないの?」
「そりゃまあ…怖いけど。病気を防ぐためだし…しょうがないよね」
桃がそう言ってため息をつくと、日曜日が左腕に抱きついてきた。
「わっ、どしたの?」
「いたいのいたいのとんでけーしてるの」
「えーそうなの!?ありがとー!」
日曜日の頭に手を乗せると、その柔らかい毛に手が沈んだ。