「お、いいじゃん」
露夏はそう言いながら夏緒と同じ目線までかがんで夏緒の頭を撫でる。
「他にも生えてるんだよー」
夏緒は近くの花壇に目を向けた。
そこには元々植わっている花々と一緒にたんぽぽの花や綿毛が生えていた。
「…これ、露夏ちゃんにあげる!」
夏緒が露夏に綿毛を差し出すと、露夏はお、ありがとうなとそれを受け取った。
「よかったじゃない、お前」
夏緒ちゃんからのプレゼント、と青髪のコドモ…ピスケスは露夏に笑いかける。
「もー、そういうこと言うなよ〜」
照れるだろ〜と露夏は恥ずかしそうに頭を掻いた。
…とここで夏緒は何かに気付いたのか公園の滑り台の方を見る。
そこには4、5歳くらいの少女が立っていた。
「あ」
夏緒は少女を認めると彼女の方へ駆け寄った。
「あげる!」
夏緒は少女に綿毛を差し出す。
「いいの?」
「うん!」
きみにあげる!と夏緒は笑いかける。