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CHILDish Monstrum:カミグライ・レジスタンス その③

「脱走……ですか?」
信じられない言葉が聞こえてきて、思わず訊き返してしまった。
「うん、脱走。私にはやりたい事がある。この場所じゃ出来ないことが。だから、脱走」
「ベヒモス、お前はどうだ? 助けを求めたくらいだ、外に出てやりたい事があるんじゃねーの?」
フェンリルに尋ねられて、考え込んでしまう。たしかにこの場所は嫌いだ。ここを出て自由になりたい、そう思ったことは何度もある。
……けど、『ここを出た後』? ここを出て、私は何をしたいんだろう。たしかにここにいれば、“メンテナンス”もしてもらえる。外に私の戸籍なんて無いし、見方によっては、最高じゃなくても最低限、安定して生存できる。じゃあ、ここから逃げ出す意味って……?
「ああ悪かった。変に考えさせるようなこと言っちまったな」
フェンリルの言葉で正気に戻る。
「別に大したことじゃなくて良いんだよ。スレイプニルなんて『走りたい』ってそれだけだぜ? ここは狭すぎるんだとさ」
「そ、そうなんだ……」
「そう。だから私は、フェンリルとここを出たいの」
スレイプニルが言った。
「フェンリルと? 何故?」
「だって、フェンリルがいれば私の走るのを邪魔するような全部、残らず壊してくれるもの」
「へ、へえ……?」
それは、倫理とか道徳とか、そういうの的にどうなんだろう?

  • CHILDish Monstrum
  • この北欧神話出身どもは割と仲良し
  • ベヒモスは倫理とか道徳とかが分かるいい子です
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