「何かあったら隊長の自分が責任を取る」
だから行ってこい、とゲーリュオーンは呟く。
「…分かったわ」
デルピュネーはそう言ってビィと目を合わせると、バッと店外へ飛び出していった。
「…いいのか、そんなこと言って」
どうなっても知らんぞ、と羽岡はゲーリュオーンの方を見ずにこぼす。
「ああ」
自分は隊長だからな、とゲーリュオーンは店のガラス戸に映る自分を見つめた。
インバーダの急襲に、意外にもクララドル市中心部は落ち着いていた。
「シェルターはこちらでーす‼︎」
落ち着いて避難してくださーい!と警官が人々を誘導する中をイフリートは駆け抜けていった。
上空を見上げるとワイバーンが自らの特殊能力で空を飛んでいる。
「しっかしずりぃなぁワイバーン」
飛行能力とか羨ましいよとイフリートがこぼした所で、おっとと足を止める。
イフリートの目の前には成人程の大きさの昆虫のようなインバーダが4体向かって来ていた。
「お出迎えか」
イフリートはそう呟くと、右手で拳銃の形を作った。
そして向かって来るインバーダたちの内1体に向けて銃を撃つように手を動かすと、人差し指の先からまるで火炎放射器のように炎が吹き出た。