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CHILDish Monstrum:カミグライ・レジスタンス その⑥

迷路のように入り組んだ廊下を進む。いくつかの独房はフェンリルの仕業か、扉が破壊されていて、残りの扉は普通に開いている。そして、中には誰も居なかった。
「これ、何がどうなってるんですか?」
スレイプニルに尋ねる。
「フェンリルが言ってた通り。外に出られるからみんな喜んで外に暴れに出てるの。ここにいる奴って、結構好戦的なのも多いから」
「へえ……」
「あと、敬語じゃなくて良いよ。ちょっと無理してるでしょ。フェンリルもデーモンも別に気にしないから」
「え⁉ あ、うん、ありがとう……」
しばらく歩き続けるうちに、大きな金属製のスライド扉の前でフェンリルが立ち止まった。
「このエレベータで地上まで出られるんだぜ。大体2分くらいかかるけど」
フェンリルが壁のボタンを押すと、すぐに扉が開いた。そしてエレベータの中には2つの影があった。
「……おいおいマジかよ。警備はどうなってんだ警備は。インバーダにここまで入られてるのは結構詰んでるだろ」
フェンリルが苦笑いしながらこぼした。
エレベータの中にいたのは、頭蓋骨の露出した馬のような姿をした2体のインバーダ。1体は痩せ型だけど体高のある栗毛、もう1体はそれより小柄だけど筋肉がしっかり付いた真っ黒なの。
何となくスレイプニルの顔を見上げると、目をかっと見開いて舌なめずりをしていた。
「……フェンリル」
「ああ、行ってこい」
「ありがと」
「ベヒモス、伏せて」
デーモンに頭を押さえられてうつ伏せに倒れる。直後、すごい破壊音が響いて横の壁が粉砕して、広大な空洞ができた。音の聞こえ方からして、今の一撃でできた穴なんだろう。
「おいで、お馬さん達。速いんでしょ?」
スレイプニルが顎でそちらを指し示すと、2体のインバーダは大人しく空洞の方に向かって歩いて行った。
「よっしゃ、行こうぜ」
いつの間にかエレベータに乗り込んでいたフェンリルに言われて、私たちもエレベータに駆け込んだ。

  • CHILDish Monstrum
  • メンタル競走馬がよォ……
  • ベヒたん地味に耳良いね?
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