「2人共下がってろ!」
ここはおいらがなんとか…とイフリートがデルピュネーとビィの前に出た所で、上から誰かが槍と長剣を持って飛び込んで来た。
「⁈」
飛び込んで来た人物は右手に持つ槍でインバーダを串刺しにする。
インバーダは悲鳴を上げて動きを止めた。
「…」
3人は呆然とその様子を見ていたが、飛び込んで来た人物が立ち上がった所でハッと我に返った。
「ゲーリュオーン」
イフリートにそう呼ばれて、ゲーリュオーンは左手に持った剣を3人の前に向かって投げた。
「油断は禁物だと言っただろ」
イフリート、とゲーリュオーンはインバーダの亡骸から飛び降りつつ呟く。
「…」
イフリートはぐうの音も出ず黙り込む。
「デルピュネー、ビーシー」
リバ通りに指揮車が到着したから、そこで武器を回収して小型種の掃討を頼む、とデルピュネーとビィことビーシーに指示しつつ、耳に付けるタイプの通信機を渡す。
「分かったわ」
「はい!」
2人は通信機を受け取りそれぞれ返事をすると、その場を後にした。
「イフリート、お前は自分と一緒に前線へ…」
「嫌だね」
ゲーリュオーンの指示を遮るように、イフリートは口答えする。