「探す探す〜!」
「私はまぁいいけど…」
「ボクも手伝うー!」
夏緒、ピスケス、キヲンはそれぞれそう答える。
「かすみは?」
露夏がかすみの方に目を向けると、かすみは自分?と言わんばかりに自らを指さす。
「自分はいいけど、ナツィが…」
かすみが隣に座るナツィに目を向けると、ナツィは不満げにそっぽを向いた。
「俺は興味ないからパス」
お前らだけで行って来い、とナツィは呟く。
「そんなちびっ子の親探しなんてどーでもいい」
「ちびっ子とか言うなよお前」
ナツィの言葉に対し、露夏は顔をしかめる。
「コドモの親がいない、これは緊急事態なんだぞ」
「それがどうした」
露夏は語気を強めるが、ナツィはそれを意にも介さない。
「…」
2人は暫く睨み合っていたが、やがて露夏がじゃあいいと言った。
「おれ達だけで探すからお前はそこで待ってろ」
ふいっと露夏はナツィに背を向けると、そのまま公園の出入り口へと向かった。