「そう、壊滅した」
ゲーリュオーンを除いてとデルピュネーが言うと、イフリートとビーシーが目を見開く。
「ゲーリュオーンを除いて…」
ビーシーがそうこぼすと、そうなのとデルピュネーは頷く。
「あの時、ゲーリュオーン以外のモンストルムはみんな戦死した」
その時、ゲーリュオーンはショックの余り暴走したらしいのとデルピュネーは淡々と続ける。
「ゲーリュオーンは仲間を倒したインバーダたちを瞬く間に一掃した」
街が壊れるのもお構いなしにね、とデルピュネーは言う。
「幸い一般市民への被害はなかったらしいけど、ゲーリュオーンはこの時のことが今でもトラウマみたい」
街を余計に壊しているから、市民からの反感も買ってしまったしねとデルピュネーは目の前で暴れる怪物を見上げる。
怪物は未だに目の前のインバーダを殴り続けていた。
「じゃあ、アイツが怪物態への変身ができないのって」
そういうこと、なのか?とイフリートはゲーリュオーンの方を見た。
「まぁそういった所ね…」
デルピュネーがそう呟いた時、インバーダを殴っていたゲーリュオーンが3人の方をゆっくりと見た。
そして不意に雄叫びを上げたかと思うと、3人に向けて拳を振り下ろした。
「⁈」
デルピュネーがとっさにバリアを張ったことで拳は弾かれたが、突然のことにビーシーが腰を抜かしてしまった。