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月の魔術師【3】

「ロマ、悪いけどここで待ってて」
ロマはこくりと頷き、大人しくソファに腰かけた。

ニトが玄関の扉を開けると、長身でポニーテールの女性が立っていた。
「…こんにちは」
ニトはふわりと愛想良く微笑みながら思う。__彼女、変わった匂いがするけど…悪い人ではないね。ニトは女性を睨む番犬こと狼に、お座りを指示した。
「何か御用ですか」
「ええ。あなたは物知りの魔術師だとお聞きしまして…お訪ねしたいことがあります」
「…分かりました。上がってください」
「お邪魔します」
ニトは女性を家にあげた。

「あ、ニト!おともだちだったのか?」
「いや…赤の他人だよ」
ニトがそう言うが早いか、女性は驚いた顔でロマを見、そして顔をぱっと輝かせた。
「ロマ様!」

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