いや、こういう状況に慣れているってなんだ。
今のところ、攻撃は来ていない。
何故か。
彼女や僕がターゲットなら、今が狙い目の筈だ。
魔力切れか。他の獣か何かにやられたか。
または。
...本来彼女に当てるつもりがなかったのか。
であれば、これは事故だ。
事故なら、攻撃を一旦止める位の事はするだろう。
まぁ、相手が人であれば、だが。
「‼︎」
不意に、茂みから魔法陣が飛んでくる。
「しまった!」
おそらく先程と同じ魔術だろう。
結界の展開が間に合わない。
駄目元で結界を回す。
「!消えた...?」
魔法陣は結界で消えた。
つまり、これは空間切断魔術ではない。