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迷兎造物茶会 Act 13

「もういい‼︎」
行くわよほた…と女が露夏たちに背を向けた所で、彼女の後ろからねぇとコドモの声が聞こえた。
思わず女が振り向くと、露夏の隣に小柄な赤髪のコドモが立っていた。
「今、露夏ちゃんのこと、“子ども”って言ったでしょ」
小柄なコドモ…夏緒がそう呟くと、女は何よと答える。
「露夏ちゃんは、露夏ちゃんは、ただの“子ども”じゃないもん」
露夏ちゃんは…と言いながら夏緒は女に近付く。
「露夏ちゃんは…!」
夏緒がそう言いながら顔を上げ、拳を振り上げた。
「あっ待て夏緒!」
露夏は咄嗟に止めようとしたが、夏緒は気にせず動作を続けようとした。
しかしここで後ろから声が飛んできた。
「…やめなさい、夏緒」
思わずパッと夏緒が振り向くと、数メートル後方でピスケスが腕を組んで立っていた。
「それ以上は大変なことになるわ」
私たちにとって、とピスケスは淡々と言う。
「でも!」
「でもじゃない」
私たちの平穏を守るためには、トラブルを起こさないことも大切なのよとピスケスは続ける。

  • 迷兎造物茶会
  • 想定より早くこのエピソードは終わりそう
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