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CHILDish Monstrum:或る離島の業務日誌 その⑥

キュクロプスは迷いない足取りで村落の中を突き進み、一軒の民家に扉をノックすることも無く入っていった。
キュクロプスの後を追ったものか、しかし不法侵入するわけにもいかないと逡巡していると、数分ほどしてまたキュクロプスが出てきた。
「あ、キュク……」
キュクロプスは、まるで私のことが見えていないかのように横を素通りして、またどこかへ歩き出した。
目的地はまた別の民家のようだった。そこからも数分ほどして出てくる。そしてまた別の民家へ。
それを何軒か繰り返し、また島民と交流して、作業場のある丘陵に引き返していった。
帰りは、行きで通ったのとは反対の斜面を登る。そちら側は、一面に何かの果樹が植えられていた。
住居に帰ってから、キュクロプスはまず小屋の方に入っていった。一瞬迷ったものの、後を追って中に入る。
扉を閉じて振り返ると、目の前にキュクロプスが立っていた。手には紐状の道具を持っている。
「おじさん、動かないで」
「は、はい」
いやに重い声色に、身体が強張る。
キュクロプスが持っていたのは、巻き尺だった。それを私の身体の至る所に当て、どうやら私の身体の採寸をしているらしい。
「…………ん」
終わったようで、キュクロプスは一度私から離れ、テーブルの上のメモ帳に何かを書き始めた。

  • CHILDish Monstrum
  • 2日足りなかったかー
  • クロちゃんは顔パス
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