「誰って……あー、正義の味方?」
「せい……何?」
「あ、ちょっと場所借りたよ。大丈夫、すぐ出て行くから」
少女は叶絵に目を向ける事無く、窓の外を睨みながら言った。釣られて叶絵が窓の方に目をやると、三本指を具えたヘドロのような色の腕が窓枠を掴んでいた。そしてその持ち主であろうヘドロ色の怪物が、頭部を埋め尽くす無数の眼を忙しなく動かしながら、室内を覗いている。
「ひッ、エベルソル……!」
思わず1歩退いた叶絵を庇うように、少女が前に出る。
「大丈夫、流石にもうこの部屋に迷惑はかけないから。お前もさっさと、そこから退いて……もらおうか!」
少女がガラスペンで雑に描き出した棍棒を振り抜き、エベルソルに直撃させる。その勢いでエベルソルを引き剥がし、窓枠に足をかけた。
「それじゃ、お邪魔しましたー……最悪の始まり方しちゃったけど、良い一日を!」
敬礼のようなポーズを決めて叶絵に別れの挨拶をして、少女は割れた窓から飛び出していった。
「…………リプリゼントルだ」
無意識に呟いた叶絵は半ば反射的に家を飛び出し、少女とエベルソルが向かった方向に駆け出していた。
うわー次ぼくかー…
なんか想像以上の展開になっちゃってちょっとプレッシャーが(笑)
でも物語を発案したのはぼくだからちゃんとやらなきゃ。
あと「このネタで個人的に書いてもいい?」とのことですが、全然OKです。
交換小説のネタにする前は企画にして他人に書いてもらおうかなと思ってたネタなんで…