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僕と君とあいつ 2

「「「おおーー!!」」」
その子を見るなり男子たちが声を上げる。
肩くらいまでの栗色の髪がキラキラと揺れる。
背は低めで顔は整っていて、まつ毛は長くて思わず息をのむくらいとてもきれいな子だった。
僕はその子に見とれ、自己紹介なんて何と言っていたのかなんて覚えていない。
案の定その子は僕の隣の席になった。
「なるです。これからよろしくね。」
ここで初めて、『なる』という名前だという事を知った。初めて見るなるの笑顔はとても可愛らしく、僕は一瞬にして恋に落ちた。
はあ、不覚にも女子嫌いの僕が一目ぼれをしてしまった瞬間だった。

あっという間に僕たち三人は仲良くなった。なるは女子よりも僕たちと過ごす時間の方が多かったように感じる。
「なるー。お前女子とも仲良くしとけよ?」
僕はそう言った。
「なんで??私は、しゅうとはやとといる方が楽しいもん」
なるが俺らをしゅう、はやとと呼び捨てにするくらいの仲になっていた。
「そお?俺ら男だし、女子どうし仲良くしたいとか思う時期なんじゃないの。」
だよな、思春期ってやつ??
「やだ。しゅうもはやとも、私が一緒だとやなの・・・??」
涙目になりながら聞いてくるはる。
「「はあ!?」」
俺らは同時に声を上げた。
「なわけねーだろ。」
「一緒がやだとかそーゆ―ことじゃねーよ。」
この時はやっぱりなるにはやく自分の気持ちを伝えていればよかったのかもしれない。

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