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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 19.チョウフウ ①

秋の空は澄んで、高い。
こうも綺麗な空を眺めていると気分が良い。
気候もちょうど良いし、特に建物の高い所に立っていると清々しく感じる。
わたしは今、寿々谷駅近くのショッピングモールの屋上にいた。
目的はいつもの”彼ら”を待つためだ。
実を言うとわたしは”彼ら”の連絡先を教えてもらっていないのだが、”彼ら”と連む内にいつもの集合場所、と言う名のショッピングモールの屋上に集まることだけは教えてもらったのだ。
だからわたしはいつも、日曜日になるとショッピングモールの屋上へやって来るのだ。
「…」
今日はまだかな、とわたしは屋上の柵に寄りかかりながら待つ。
このひと時も、ある種至福の時間だった。
しかし、今日は少しだけ違った。
「あら、あなた」
不意に話しかけられたので、わたしはパッと声の主に目を向ける。
そこには奇妙な出で立ちの少女が立っていた。

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