少年がヴァイオリンに弓を静かに当てる。音楽に対する知識があまり多いとはいえない叶絵は、その様子を呆然と眺めていたが、やがて少し後ずさりした。
「すぅ…」
少年の息遣い。まわりの音が消える。エベルソルは身体中からなんだか分からない液体を垂れ流しながら困惑したように身を捩る。息の詰まるような静寂が叶絵まで緊張させる。
「…Preludio」
少年の呟きが音のない空間に響いた。
(プレリュード…?前奏曲のこと…だよね?)
少年が優美な動作で弓を引き始める。ヴァイオリンから上品な音色が溢れた瞬間__エベルソルが変形した。潰れた缶を連想させるその肉塊の天辺からは、汚い液体が噴出する。
「ひっ…!」
叶絵の足元までそれは飛び散り、少年にもいくらかかかっていたが、彼は気にせず演奏を続けた。エベルソルは変形を続ける。断末魔一つあがらない。液体を噴出し続け、呆然とする叶絵の目の前で干からびたミイラと化してしまった。
「ふぅ…」
心底疲れたようなため息が少年の口から漏れる。
「…どうにかなったみたい。あんま骨のある奴じゃなかったけど、疲れたな…」
「い、今の…」
言葉を失う叶絵に、少年はにっこり微笑んでみせた。
「知りたい?」
いい感じですよ。
雰囲気はそのままに話が進んでいますね。
それにしても「プレリュード」という言葉を知ってるなんて、意外にも主人公は博識。
おい待て……よく考えたらこれから主人公覚醒まで持っていくんだよな……?
現状リプリゼントルの連中が強すぎて、主人公が戦いの才能に目覚める理由が無いんだが……。
消去法でこの少年を噛ませにしろと? ここから? この圧勝の後で?
これ以上エベルソルを出すのも不自然だしな……。
このミイラにまだ無理させなきゃいけないのか。まあヘドロも死んだと思ってたのに生きてたんで、多分干からびたくらいなら大丈夫なんだろう。頑張れ干し肉。
僕は極力戦況を動かさないつもりなので、この状況にしたPさんと一番設定が分かってるテトモンさんに全て任せます。
うわぁナニガシさんごめんなさい。
この状況下で主役覚醒まで持ってくの難しいですよね…
動く点Pさんがあっさり敵を倒しちったのは想定外でしたが、ここから頑張って話を動かしていきます。
ぼくもあまり物語を書くのが得意な部類ではないので期待しない方がいいけど。
あば、そうだっためっちゃやらかしました。申し訳ない。干し肉頑張ってくれ