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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 19.チョウフウ ④

急に絡んできた、と言えば情報屋のミツルと同じだが、そもそも何のためにわたしに話しかけてきたのだろう。
もしかしなくても、彼女もまた異能力者…という考えが頭をよぎった時、少し離れた所から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あーいたいた」
今日もいるんだなと黒いパーカーのフードを被った小柄な少女、ネロがこちらに近付いてくる。
その後ろには耀平、黎、師郎の3人がいる。
「あ、皆」
わたしは明るく手を挙げたが、ここで穂積がこう呟いた。
「…あたし、そろそろ行くわ」
「え?」
わたしは思わず彼女の方を見るが、穂積はもう既にその場から離れようとしていた。
「じゃ、またねサヤカ」
穂積はそう言って後ろに向けて手を振りつつその場から去っていった。

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  • 今日は短め
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