「ふーん、ロマは精霊の…」
ニトはロザリーの足に包帯を巻くと、ようやく顔をあげた。
「あ、手当てすみません…ありがとうございます。地球の重力は恐ろしいですね」
「そうですね。ロマはよく平気だったね」
「…おぼえてねーぞ…」
混乱しているロマにとりあえずホットチョコレートを渡し、ニトもソファに座った。
「ロザリーさんは、ロマを連れ帰るんですか」
「それが、目的ではあるのですが…ロマ様のご意思を優先したいのです。故郷の争いが終わっているかも…分かりませんし」
「うーん…ロマは記憶を思い出した方が良いと思うけどなぁ」
ニトがロマの頭をぽんぽんすると、ロマは猫のように目を細めた。
「…一旦故郷に帰ってみるのもありかもしれないよ?」
「…ニトも、いっしょにこい!おまえがこなきゃいってやんねーぞ」
「全く…」
「ロマ様はニト様のことがお好きなんですね」
「様はいりませんよ、ただの魔術師ですから。それに、ロマが好きなのは僕の顔でしょ?面食いだもんね」
「めんくいじゃねぇ!!」