ヴァンピレスに遭遇してから暫く。
わたし、耀平、黎、師郎の4人は路地裏を走っていた。
「ここまで逃げれば大丈夫かな」
ある程度走った所で耀平がそう言って立ち止まる。
わたし達3人も足を止めた。
「多分ネクロマンサーが足止めできてると思うし」
まぁ今回も大丈夫だろ、と耀平は頭の後ろに両手を回す。
「…それにしても、今回の奴の襲撃は随分急だったな」
普段はもっと暗くなった頃にやるイメージがあるのに、と師郎は腕を組む。
「こんな真っ昼間にやるなんて…どういう風の吹き回しなんだか」
師郎がそう言うと、耀平はそりゃあこの間の腹いせだろ?と答える。
「”メドゥーサ”を奪えなくてムカついたからおれ達に襲いかかってきた、それだけだ」
耀平がそう言うと、師郎はま、そんなもんかとうなずいた。
わたしもふーんとうなずきながら何気なく空を見上げる。
上空には高い青空が広がっており、地面からは様々な建物が生えていて…
「?」
わたしはふとある事に気付く。