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月の魔術師【6】

ニトとロマの取るに足らない話を、ロザリーはしばらく静かに聞いていたが、やがて少し笑って呟いた。
「ロマ様は昔から運の良い方でしたが…今もお変わりないようですね」
「うん?」
「豪運の持ち主でしたよ?都合が良すぎるとも言えるほどでしたね」
ニトは少し考えた。確かに、ロマが地球に落ちてきて致命傷を負わなかったのは奇跡だし、たまたま何百年と生きられる魔術師の家の前に落下したのも奇跡だ。
「…ほんとにうんがよかったら、せんそうにまきこまれないとおもうぞ」
「そういうこともあるだろう。神の気紛れを運と呼ぶのだと僕は思う」
ロマは目を擦った。まだ朝なのに眠いらしい。

「そもそも、故郷に帰るとしてどうやって帰りましょう…」
ロザリーは俯いて考えこんでしまった。
「…僕の魔術でどうにかできるかもしれないですが」
「えっ!」
「僕は、なんというか…特殊な身の上なのでね。普通の魔術師ができないことも割とできますよ」

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