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少年少女色彩都市 Act 12

少女が立ち去った所で、典礼の姉は叶絵に向き直った。
「ごめんなさいねあなた…戦闘に巻き込んでしまって」
本当に、ごめんなさいと典礼の姉は深々と頭を下げる。叶絵はそ、そんなに頭を下げなくてもと慌てる。
「実際わたしだってリプリゼントルの戦いが気になって飛び出してきちゃっただけだし、こうなった原因はわたしに…」
叶絵は元の姿に戻って言うが、典礼の姉はいいえ、私が悪いのと頭を下げたままだ。
「私がさっさと引退しないから…」
典礼の姉はそう謝り続けるが、その様子に痺れを切らした、いつの間にか元の姿に戻っていた典礼が姉さん!と声を上げる。典礼の姉は顔を上げた。
「早く引退してたらって、もしそうしてたらこのピンチを切り抜けられなかっただろ!」
ぼくだけじゃなくて彼女もどうなってたか分からないんだぞ!と典礼は語気を強める。
「…だから、そんなこと言うな」
姉さんが謝っているのを見てたらぼくだって嫌な気持ちになると典礼が言うと、典礼の姉は典礼…と呟いた。
「…という訳でだ」
この窮地を救ってくれてありがとう、と典礼は叶絵に向き直る。
「しかしぼくらが無理矢理君を戦わせてしまったのも事実だ」
これ以上、君も戦いたくないだろう?と典礼は続ける。
「もし君がこれ以上戦いたくないのであれば、そのガラスペンをぼくらに返して…」
「いや、いいです」
典礼が言いかけた所で叶絵は遮るように断る。
「わたし、リプリゼントルとして戦います」
叶絵は毅然とした表情で言い切った。どうして…と典礼が尋ねると、叶絵はだってと返す。
「わたしにできて他人にはできないこと、絵を描くこと以外にも見つけられたから」
叶絵は手の中のガラスペンを見つめながら続ける。
「だから、リプリゼントルとして戦いたい」
皆さんと一緒に…!と叶絵は顔を上げる。心なしかその表情は明るく見えた。
「そうかい」
それが君の意志なら、ぼくは尊重するよと典礼は笑う。
「分かったわ」
それなら私も、全力でバックアップすると典礼の姉も頷く。
「ありがとう、ございます!」
叶絵は満面の笑みを浮かべた。

〈少年少女色彩都市 おわり〉

  • 少年少女色彩都市
  • 最後は長くなりましたがこれでおしまいです!
  • 皆さんありがとうございました!
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