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少年少女色彩都市・某Edit. Agitation & Direction その⑨

「あれ、誰だっけ?」
自身の頭上から顔を覗かせるタマモに、ロキが尋ねる。
「誰だったかなー……あ、思い出した。ガノの野郎だ」
「あー。助けに行く?」
「別に良いだろ。ダイジョブダイジョブ、あの程度の数なら何とかなるなる」
不意に、ガノとタマモの目が合う。
「あ! そこにいる2人! 見てないで手伝え!」
「いやァ、遠慮しときますよ。ほら、邪魔はしないんで、ガンバ」
「なっ、ふざけんなこの野郎!」
ガノはエベルソルの1体の突進を楯で受け止め、ライフル銃でその頭部を撃ち抜く。その隙に残りの3体に一斉に飛びかかられ、瞬く間に組み伏せられた。
「ぐあー⁉ マジで助けて! 死ぬ!」
助けを求めるガノのことは無視して、タマモはロキに目を向けた。
「……ロキ、じゃんけんしようぜ」
「何賭ける?」
「俺が勝ったらあいつのことは諦めよう。お前が勝ったら仕方ない、拾える命ってことで」
「分かった。チョキ出すね」
「おっと心理戦。『最初はグー』無しでいきなり『じゃんけんほい』で行くぞ」
「分かった」
「「じゃーんけーんほい」」
自分の出した『グー』を見つめ、大きく溜め息を吐き、タマモはガノに目を向けた。
「自分で言ったことだからなァ……おいガノ、土下座して頼めば助けてやるよ」
「テメエ、よく仰向けに倒されてる奴に土下座要求できるな⁉」
「冗談だよ冗談」
タマモとロキの光弾によって、ガノに群がっていたエベルソルらは全滅した。

  • 少年少女色彩都市ナニガシエディション
  • じゃんけんはロキの方が強い
  • 「ガノ」はただの読み違い
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