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少年少女色彩都市・某Edit. Agitation & Direction その⑩

「おいちょっとこっちにも当たったぞ!」
「ガノ……お前さァ、普通こういう時の一言目は感謝の言葉じゃねーの? いくら俺らが嫌いだからってさァ」
「あ、うんごめん……助かった」
「まあ良し。ロキ、他も見に行こうぜ」
「…………」
ロキの返事が無いことに気付き、タマモはロキに目をやる。ロキは右の二の腕を左手で揉むように擦っていた。
「どうした、ロキ?」
「ん、別に……もう行こう」
歩き出そうとするロキの腕を掴み、その手に隠れていた場所をタマモが検める。そこには2㎝程度の長さの細い火傷痕があった。
「…………ガノお前さァ……」
深く溜息を吐き、タマモはガノを見下ろした。
「別に『できてねえ奴が偉そうな口叩くな』とか言うつもりは無ェけどよォ……。ロキ、あいつのこと2回くらい蹴っとけ」
「うん」
ロキは立ち上がろうとしていたガノに近付いて蹴り飛ばし、再び倒れ込んだ背中を軽く踏みつけてからタマモの隣に戻った。
「じゃーなーガノ。お疲れ」
「ばいばーい」
2人は倒れたまま呆然としているガノに手を振り、その場を後にした。

  • 少年少女色彩都市ナニガシエディション
  • エピソード完結
  • 掠ってたか―
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