「それ良いな」
「じゃあお願い!」
耀平とネロはそれぞれそう言うと、師郎は黎に行くぞと言ってその場から離れた。
3人だけになったわたし達は暫くチョウフウを追いかけたが、やがて彼女が十字路の真ん中で立ち止まったのでわたし達も足を止めた。
「ちょっとあんた達、しつこくない?」
いつの間にか異能力を使う事をやめていたチョウフウこと穂積はそう言って振り向く。
「そういうのメーワクなんだけど」
「それはこっちのセリフだよ!」
アンタがしつこくボクらを追ってたせいでヴァンピレスに狙われてたんだぞ!とネロは怒鳴る。
「そんな事言われても…ねぇ」
穂積は困ったような顔をするがネロは気にせず続ける。
「ええい!」
いっその事アンタを…とネロは具象体の大鎌を出した。
しかし穂積は十字路の右に伸びる道へ向けて走り出そうとする。
だが彼女の進行方向から彼女の頬をかすめるように空のペットボトルが飛んできたことで彼女の動きは止まった。