ニトとロザリーはとりあえずロマの故郷についての話を続けた。
地球とはかなり距離が離れているが、大体天の川を辿れば近いところまで行けるということ。ロザリーとロマは精霊なので、宇宙空間でも問題なく生きられること。その他にもいろいろなことを話した。
「成程。問題は地球から宇宙へ行く方法だけか」
「ええ…重力にはあまり逆らえないので…」
「ロケットがあれば行けますかね」
「行けると思います」
「じゃあ造りますね」
「えっ」
かくして、ニトは魔術師でありながらロケットを錬金した。
「あら…」
ニトが鍋を混ぜたり変なものを入れたりして生成した小ぶりなロケットを見て、ロザリーは呆然とする。
「魔術師の方…ですよね?」
「ただの魔術師じゃないので」
ニトは爽やかに笑ってみせた。