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少年少女色彩都市某Edit. Passive Notes Walker その⑥

(さッ……すがに、難しいよなァ…………アイツのやり方ってのは)
援護射撃を送りながら、タマモは相棒たるロキのことを思い出していた。
(アイツの才能『展開の演出』。たしか『より面白い物語を演出するために、持ってるもの全部使って場の全体を都合良く操る』みたいに言ってたか。……面白い展開って何だ?)
弾幕が腕を更に1本吹き飛ばす。
「やッべ、テンポ狂うじゃん」
呟き、弾速を僅かに下げる。
「向かって左、1本減ったぞ!」
「ん、了解です!」
短く答え、敵の攻撃をいなしながら、隙を見て理宇は横から来る拳を両手で受け止めた。その腕に組み付くと、エベルソルは振り解かんとその腕を大きく振り上げ振り回す。放り出されまいと歯を強く食い縛りながらも、理宇の口角は、にっ、と吊り上がっていた。
(私がトドメをお願いしたのに……当然だ。私が前にいれば、タマモ先輩は誤射の危険から敵の芯は狙えない。だけど今なら!)
理宇の取り付いている腕を振り下ろそうとしたエベルソルの身体が大きく傾ぐ。理宇は素早く離脱し、タマモの目の前に回転しながら着地した。
「見事な着地、10点満点」
「ありがとうございます……っと」
2人に向けて伸びてきたエベルソルの腕を、理宇は片手で受け流した。続いて伸びてくる腕の攻撃を、次々捌いて行く。
「うッわァ……これ、近くで守られてると圧がすげェな」
苦笑しながらガラスペンを取り出し、巨大なインキの塊を空中に生成する。
「せっかく後輩がカッコイイところ見せてくれたわけだし、こっちも1発大技決めてやらねーとなァ……」
10秒以上インキを垂れ流し続けて完成させた巨大な砲弾で、エベルソルに対して照準を定める。
「おいリウ! 隙見て躱せ!」
「え、無理です!」
「……分かった。隙はこっちで用意する」

  • 少年少女色彩都市ナニガシエディション
  • 今の理宇ちゃんに無茶を要求してはいけない
  • この子、たしか内臓ぐちゃボロのはずでは?
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