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Daemonium Bellum RE:ふぉーるんらぼらとり その⑦

青年が悪魔氏に斬りかかる。悪魔氏はまたあの鼠色の不定形に姿を変えて回避しようとしたが、青年の斬撃はあまりにも素早く、不定形の物質を真っ二つにしてしまった。
断面から、真っ赤な血のような液体があふれ出る。悪魔も血は赤いのか。
「あがぁ……おい片羽根ェ、テメェ強いな」
「お褒めに与り光栄です。どうです? 死ねそうですか?」
「生憎と首も心臓も斬られてねェからなァ……どっちか消し飛ばしてから言え」
「どちらかと言わず、全身消し飛ばされたらどうでしょう」
「アー、死ぬかも。やってみろ……ッとその前に」
物質が一度悪魔氏の姿に戻り、椅子ごと私を蹴り倒してしまった。
「流石に巻き込まれて死なれても寝覚めが悪りィ」
「天使さんはどうします?」
「それは運が悪かったということで」
「了解です」
2人は戦闘を再開させた。決して広くはないこの部屋の容積、それをほぼ目一杯に使って、壁や天井すら足場として蹴りながら乱闘している。
時折彼らの戦闘の余波が天使氏に向かい、その身体を少しずつすり減らしていくが、天使氏もすぐに再生していくから、短剣が刺さったままの口以外に外傷は残らない。
もう何十度目かという青年の放った斬撃が壁に深く痕を残し、悪魔氏がその傷を足掛かりに壁を駆け、彼我の距離を詰める。眼前に迫った悪魔氏を、青年の長剣は既に捉えられない。
不定形の物質が青年の顔に迫ったその時、青年は長剣を手元で回転させ、自分の肩口に刃が食い込むのも構わず異形の悪魔氏を切り裂いた。

  • Daemonium Bellum RE
  • 長物は内側にも射程外があるから大変ね
  • 哀れな天使氏
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