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少年少女色彩都市・某Edit. Modeling Master Amenonuboko その③

「おい、離れろエベルソル!」
新人くんがエベルソルに叫び、チャリオットから飛び降りながらガラスペンで何かを描き始めた。奴がアパートに半分入り込んでいる状態だから、馬や戦車は使いにくいんだろう。私の戦闘スタイルも広範囲を巻き込みやすいから狙いにくいな……。
「……でも、急がなくちゃ駄目だもんなー」
ガラスペンで小さな立方体をモデリングし、エベルソルにぶつける。表面が硬そうだったから反応するかは微妙なところだったけど、幸運にも奴は屋内に侵入しようともがくのを止めて、こちらを向くためにその首を引っ張り出した。
眼も鼻も耳も無い、大顎だけの爬虫類みたいな頭部がこちらに向けられる。それとほぼ同時に、新人くんが描いたのであろう可愛らしいうさぎさんがその頭部に飛びついた。
「あっうさぎー」
「ウサギは小さくても脚力に優れたパワフルな草食獣です!」
「そっか……お、これは都合が良い」
エベルソルがうさぎさんを振り解くために暴れ、アパートから離れて地面に下りた。
「新人くん、君はまず中の様子を確認して。要救助者がいないかとか」
「え、あっはい。そうだ、今なら軍馬も戦える!」
新人くんがそう言うと、チャリオットに繋がれていたままの馬たちから馬具が消え、エベルソルに一斉に突撃していった。
「では、ちょっと離れます!」
「うん、こっちは任せてー」
馬たちと協力してエベルソルの気を引いている隙に、新人くんは奴の脇をすり抜けて件の部屋に行くために階段を駆け上っていった。

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