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逃鷲造物茶会 Act 2

人々が寝静まる深夜遅く。
「今日もいつも通りだったなぁ」
そう呟きながら、寝巻きに着替えたかすみが2階から屋上に向かう階段を上っていく。
…かすみにとっては、寝る前に屋上を見にいくのが習慣だ。
何せここには屋上から出入りする者もいるからである。
面子によっては夜中でもしれっとやって来ることがあるため、かすみはそれを気にして屋上へ上がるのだ。
そうこうしている内にかすみは屋上に繋がる塔屋まで来て、扉を開けた。
その時だった。
「?」
かすみは屋上の柵にもたれている“誰か”がいることに気付いた。
しかもその姿は見覚えのあるものだった。
「…」
かすみが扉を閉めつつその人物の様子を見ていると、柵にもたれる人物はふふふと微笑んだ。
「昼間ぶりね」
店員さん、とその人物は小さく手を振る。
かすみは最初誰だかよく分かっていなかったが、その言葉で誰か気付いた。
「…えーっと、あ、昼間のお客さん」
かすみがそう言うと、相手はそうそうと笑う。

  • 逃鷲造物茶会
  • 今回の主役はかすみのつもり
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