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逃鷲造物茶会 Act 4

「対価は支払えないけど…少しばかりいさせてもらえないかしら?」
少女の言葉にかすみはうーん、と唸る。
「別に自分はいいけど、マスターが何て言うか…」
知らない人をここに上げたことがバレたら何を言われるか分からないし、とかすみは呟く。
「バレなきゃいいのよバレなきゃ」
ね、お願いと少女は懇願する。
「…」
少女の有無を言わせぬ勢いに、かすみは気圧されてしまう。
暫くの間かすみは黙り込んでいたが、やがてこう口を開いた。
「じゃあ、ちょっとだけ」
その言葉に少女はにこりと笑うと、それじゃ上がらせてもらうわねとかすみの横を通り過ぎて塔屋の方に向かった。
「え、ちょっと」
かすみは困り顔で彼女の後を追った。

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