白蛇から下りた芸術家さんをエベルソルから守るため、まずは防壁を生成する。次いで両脇を固めた避難路を形成し、避難を指示した。
「避難完了ヨシ。……さて、あの人の避難に最後までついて行ってあげるべきか、新人くんの戦いを見守っておくべきか……そうだうさぎさん」
腕の中に抱いたままのうさぎさんに声を掛ける。
「あの人について行ってあげてくれる?」
うさぎさんは私の腕からするりと抜け出し、芸術家さんの後を追うように走り去っていった。
「民間人の警護ヨシ。新人くんは頑張ってるかなー?」
階段を生成し、防壁の上から顔だけ覗かせる。新人くんは2頭の馬を前衛にしながら蛇に攻撃させ、また別の何かを描いている。今度は何を描くのかな?
結構大きい動物みたいだ。がっしりしていて、重厚な体つき。太い四肢。鼻から生えた太い角。
あれだ、シロサイ。アフリカゾウの次に重くて大きな陸生哺乳動物。
新人くんの指揮で、サイが突進する。馬たちが横に躱すのと同時にエベルソルと衝突し、敵を数mもふっ飛ばしてしまった。
「そのまま、轢き潰せ!」
新人くんの指揮に従ってサイはエベルソルに突進し、その重たい全身を使ってぺしゃんこに潰し倒してしまった。