木から落ちてきたのは、
「は...?鳥...?」
一羽の鳥だった。
ぽかーんと突っ立っている僕を横目に、
鳥、否、鳥の死体を回収するマスター。
少し死体を観察して、
「成程ね、じゃあ大丈夫か。」
と呟いた。
何がだよ。何も大丈夫じゃない。
内心そう思いながらマスターに駆け寄る。
「うん、ご苦労様。先帰ってていいよ?」
早く帰りな、と言うマスター。
思い切って聞いてみる。
「いや、そうじゃなくて...その、アリス、は?」
数秒黙った後に、これ、と鳥を指すマスター。
「え?」
「遠隔操作の魔術。本来は人形とかにかけるんだけどね。流石、やる事が非道いね。」
淡々と説明するマスター。
結局、アリスと会う事はなくこの騒動は終わってしまった。