「…」
暫くの間その場に微妙な沈黙が流れたが、やがて耐えられなくなったかすみが手を叩く。
「あ、もうすぐ開店の時間だ!」
そろそろ行かなきゃ!とかすみはわざとらしく言う。
「じゃ、また後でね」
そう言って、かすみはそそくさと物置を後にした。
「…」
またその場に沈黙が流れたが、ナツィが手に持つ大鎌を消してこうこぼす。
「お前、かすみの知り合いじゃないだろ」
ナツィの言葉にエマはふふふと笑う。
「あら、勘がいいわね」
ナハツェーラー、とエマは顔から笑みを消す。
ナツィは別に、と目を逸らす。
「何年生きてると思ってんだ」
お前のことだって、知ってて当然だぞとナツィは再度エマに目を向ける。
「そうねぇ」
わたし、有名人だもんねぇとエマは笑う。
「有名人て」
ふざけてんのか、この…とナツィが言いかけた所で、ガチャと物置の扉がまた開く。
2人が扉の方を見ると、ナツィにとっては馴染みのある3人組が立っていた。