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此の春にて

移ろいの季節にて
次の場所へ行く君へ

白く冠る山々から吹くであろう冷風が
我々を戸の内に押し留めんとしているのに

出会いと別れを祝福する桜でさえ
まだ咲き始めを惜しんでいるのに

近く君は、遠くへ行く

気軽に帰ってきてくれていい
世間話をしに来てもいい

誰の愚痴を言おうったって構わない
悲しいことを呟くだけでもいい

いかな艱難辛苦をその身に背負おうとも
死に体になる十歩前には帰ってきて

できれば笑う顔がいい

とにかく、いつでもいいから

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