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逃鷲造物茶会 Act 14

「エマさん‼︎」
寝室の扉をばたんと勢いよく開け、かすみは自室へと飛び込む。
しかしそこには誰もいなかった。
「あれ…?」
エマさん…?とかすみは首を傾げる。
昼間に自室へ行くようかすみが言ったから部屋にいるはずなのに、エマは部屋にいない。
どこへ行ったのか…とかすみは一瞬考えるが、ふとあることに気付く。
「まさか」
かすみは慌てて自室を飛び出した。
そして向かった先は、この建物の屋上だった。
屋上への階段を駆け上がり、塔屋の扉を開けると屋上の柵から下界を見下ろす人影が見えた。
「…」
かすみが静かにその人影に近付くと、その気配に気付いたように人影は振り向いた。
「ハァーイ」
その人影…エマは小さく手を振りながらかすみに笑いかけた。

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