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視える世界を超えて エピソード7:潜龍 その④

犬神ちゃんに助け起こされ、こちらからもぶつかってしまったことを謝罪する。
「良いよそんなの、こっちも不注意だったし。そんなことよりさぁ、キノコちゃん知らない? キノコちゃんったらひどいんだよ? 先月のデート、すっぽかしちゃうんだもん」
犬神ちゃんから見ても、あの会合は『デート』扱いなのか。
「はぁ。……あ、いや、自分もここ1か月くらい見てなくって」
「そっか。まあ良いや。たしか今日、お祭りでしょ? キノコちゃんもお祭り好きって言ってたから、多分来てるよね?」
「だと良いんですけどね」
「じゃ、早く行こう!」
「そうですね……ん?」
犬神ちゃんは自分の手を引いて神社の方に向かおうとしている。自分が足を止めていたせいか、こちらに振り向いて小首を傾げた。
「どしたの」
「いや、なんで引っ張ってるのかなって……」
「だって君、キノコちゃんのお気に入りなんでしょ? なら一緒に行こうよ。キノコちゃんにデートに来なかったこと、文句言ってやろ」
「いや、自分は別に……」
犬神ちゃんの勢いに押し負け、結局彼女に連れられて神社の方へ行くことになった。

  • 視える世界を超えて
  • 命のやり取りがあるだけで2人は仲良し
  • 短そうに見えて行数自体は意外とある?
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