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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 20。エインセル ②

「チョウフウ、だっけか…面倒な敵が増えちまったよ」
なぁ?と師郎は隣に座る黎に目を向ける。
黎は黙ってそっぽを向いた。
「何だよ、チョウフウと同じ学校なのを気にしているのかい?」
お~い~と師郎が黎を右肘で小突くと、黎はちょっと師郎から離れた。
「…別に、同じ学校ってだけで学年違うし」
あんまり自分は奴の事知らない、と黎は棒の付いたアメをくわえる。
「ただ、部活で使っている所が近いってだ…」
黎がそう言いかけた時、不意にあと聞き覚えのある声が飛んできた。
わたし達がパッと声の主の方を見ると、カラフルなピンで前髪を留めた少女と、メガネをかけた長髪の少女が近付いてきた。
「あ、アンタら!」
ネロは2人に気付くとバッと立ち上がり、目を光らせる。
その様子を見た短髪の少女はあーもう殺気立たないの~と笑みを浮かべる。
「また会ったね、あんた達」
短髪の少女はそう言って手を小さく振る。
しかしその後ろにいる長髪の少女がムスッとした顔をしていた。
「一体何の用だ」
目を光らせるのをやめたネロは2人を睨みつける。
短髪の少女はいや~ちょっとね、と笑う。

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