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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 20.エインセル ⑦

周りの皆は言い合うなよと諫めようとするが、2人は全く気にしない。
わたしは思わず呆れてしまった。
…と、不意にわたしは視線を感じた。
?と思って辺りを見回すと、路地の奥の方に見覚えのある人影が立っている。
それはどこかわたし自身のようにも見えた。
「…おい」
不思議そうな師郎の声でわたしは我に返る。
「どうした?」
急にぼーっとしやがって、と師郎が聞く。
わたしはあーと言いつつさっきの方角を見る。
そこには誰もいなかった。
「…何でもない」
わたしはそう言って笑う。
師郎はそうかいとだけ言って、またネロと穂積の言い合いに目を向けた。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • 今日は短め
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