2人が現場であるショッピングモールに駆け付けると、外壁には大きな穴が開いておりエベルソルのものであろう巨大な尾がはみ出してのたうっていた。
「……随分デカいのが突き刺さってるな。あの辺りって何屋があったっけ?」
「さぁ……私あんまりここには来ないので……」
「ここって中高生の休日のたまり場の鉄板じゃないの? 私もあんまり来ないけど」
「えぇ……」
「取り敢えずリウ、先行して」
「りょ、了解です」
理宇を前に置き、2人はショッピングモールに入った。逃げ惑う一般人に逆らいながら、2人は外壁の大穴のあった辺り、2階のある地点にやって来た。
「……あー、ゲームコーナーか」
ロキは呟き、クレーンゲームの筐体を倒して暴れ回る巨大なエベルソルにインキ弾をぶつけた。
ナメクジとナマズとヘビを混ぜたような姿のそのエベルソルはのたうち回るのを止め、頭部を2人の方へぐりん、と回した。
「ん、こっち向いた。リウ、頑張れ」
「了解です! ……いやしかしでっかいな……」
インキ製のスティックを両手に、理宇はエベルソルに向けて駆け出した。